桑原先生 ダイエット中の臭い

HIVE鍼灸院・院長 桑原 拓也 先生 10

桑原先生顔写真

古来からの英知が凝縮された鍼灸。ご自身がスポーツでけがをされ際に、鍼灸での効果を実感し鍼灸師になられた桑原先生。「正しく痩せる」ことは「健康」であることでもあります。桑原先生に、健康・美容になる為のアドバイスをいただきます!

ダイエット中の臭い

臭いが気になったらダイエット方法を見直そう!

ダイエット

ダイエットされた方でご自分の体臭が変化された経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか?
ダイエットで口臭、体臭、おならの臭いが変化する可能性があります。

まず口臭ですが基本的に空腹時に臭いが強くなります。
これは口内の唾液量が関係するのですが、唾液が一番出るのが食事中です。
その食事をきちんと摂っていないと唾液が少なくなり、乾燥した口内は臭いがしやすくなります。

唾液は口内の細菌や酸性とアルカリ性のバランスを整える作用があります。
空腹時に夜就寝した後の寝起きの朝などは、唾液の分泌量は非常に少なくなっているので臭いがきつくなります。
さらに膵臓から分泌される膵液が胃で分解されてガスが溜まることで空腹時の口臭が強くなる事もいわれています。

体臭ではまず汗臭いような臭いがします。
これは食事制限等により炭水化物やたんぱく質の摂取不足になると身体は中性脂肪を燃やすことでエネルギーを得ようとします。
この中性脂肪は臭い成分でもある「脂肪酸」に分解されてミトコンドリアのTCA回路という燃焼系に運ばれます。

しかし急なダイエット等で代謝が低下していると先ほどの脂肪酸が完全燃焼されずに、余った脂肪酸が血中に増加します。
これが油っぽい脂質系のニオイのもととなり、汗臭い臭いがしてきます。

もう一つ「解糖系」といわれるエネルギーの産生の方法があります。
先ほどの代謝の低下状態が続くとこの「解糖系」でエネルギー産生がされ、その過程で「乳酸」が出ます。
この乳酸はアンモニアと一緒に汗に出る性質がありこれがまた臭いの原因になります。

次にこれが進むとだんだん「甘酸っぱい」臭いがしてきます。
これは糖尿病の方にも出てくる臭いでケトン臭といいます。

本来ならば食事から糖を摂取しそれをエネルギーとして利用するのですが、 食事制限(糖尿病の方はインスリンの不足及びインスリンの効きが弱くなる)により糖代謝の異常がおこり、体はエネルギー源として、脂肪を使い始めます。

脂肪を分解した先ほども出てきた脂肪酸は、エネルギーを作り出しますがこの時にケトン体も同時に産生されます。
このケトン体が尿や呼吸から排出される時に「甘酸っぱい」臭いとして感じられます。

ケトン体は脂肪組織から脂肪酸が大量に遊離している場合に多く産生されので 過度のダイエットにより、食べる物を極端に減らした結果脂肪を体が代謝すると生じます。

ダイエットによりおならの臭いが臭くなる場合は、やはり食事のバランスに問題がある事が多いです。
食事内容によりタンパク質が多いと悪玉菌が増え、野菜が多いと善玉菌が増えるのですがガスの量が増えたりします。
野菜の中にも硫黄が含まれているものは臭いの原因になるとも言われています。

ダイエット中も食事のバランスは気をつけないと「臭いが・・」という事にもなりかねません。
逆に臭いがきつくなったりする場合はダイエットの方法を見直した方が良いかもしれませんね!!

プロフィール

桑原先生プロフィール写真

HIVE鍼灸院・院長

桑原 拓也くわはら たくや

鍼灸大学卒業後、都内の鍼灸院に勤務。 主任鍼灸師として働き、のべ1000人以上の人の治療に携わる。その後目黒区、学芸大学駅の近くに独立開業。美容室に往診へ行っていた経験を活かし、頭髪(脱毛・薄毛)の治療にも取り組んでいる。整形外科的な痛みや運動器、婦人科・不妊症、自己免疫疾患や小児・内科的なものから美容・疲れや肩こり等の不定愁訴の治療を取り扱っている。
鍼灸学士、はり師、きゅう師、登録販売者、介護予防運動指導員
ホームページ(http://www.hive.jp.net/)